第2話 再会

 いっことよしくんは、学生時代にサークル活動をしていました。

いっこは、落語研究会。そして、よしくんは、映画研究会に所属していました。

二人は、サークル活動の合同ハイキングで知り合いました。

よしくんは、よしくんの脚本・監督による自主制作映画『ほほえみ』の主演女優をいっこにお願いしました。

いっこは、快く映画出演を引き受けてくれました。

そして、映画は完成し、大上映会を開くことが出来ました。

その後、よしくんは、いっこの落語会にも行きました。

二人は、ただそれだけの関係で、二人きりでデートするとかのお付き合いはしませんでした。


いっこは、よしくんに名刺を差し出します。

 ~カラオケスナック いっこ~

 「いっこ、三木のサンロードでカラオケスナックやっているの、 場末のスナックじゃないよ」

いっこは、いたずらっぽく笑います。

よしくんは、いっこがお店のママであることを知り、びっくりしました。

 「へーっ、 いっこ、 お店経営しているんだね」

いっこは、透かさず、

 「お店は、緑が丘駅のサンロード商店街の通りにあるの。 よしくん是非来てね」

よしくんは、あらためて、いっこを見ると、47年前と変わらない可愛い人だと思いました。

お互いに歳は取ったけれど、心は昔のままでした。

しばらく、いっこはマスターと話をしていましたが、

 「じゃあ、 よしくん、 絶対来てね」

と、言って帰りました。

よしくんは、なぜか胸がときめいていました。

それは、忘れたはずの恋なのでしょうか?

よしくんは、週末にいっこの店に行くことにしました。

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