第十五章 若者たち

第15話

はーちゃんたちは市役所の人に大層おこってしまって、ふてくされて寝てしまった。幸人くんは

「なんでー?遊ぼうよー。」と言うが、はーちゃんたちは、ふて寝状態。

その時、「ピュー、ピュー」という音が聞こえた。若者たちだ。

「あいつら、働いてないんだぜー、やっつけちゃおうか。」という声。幸人くんは「僕が守らなくちゃ」と思ったらしい。若者たちを睨んで、テントたちを守った。そんな幸人くんを見た若者たちは、

「なんだよ。生意気だな。」と思ったらしい。幸人くんに向かって睨んだが、たまたま通りがかった譲くんと茜ちゃんも守りに入り、若者たちは去っていった。


それを、後で聞いた僕たちは驚いた。そして怒ってしまった。

たぬきさんは、

「このまま居てていいのかなぁ?市役所の人たちも出ていけって言うし」と言う始末だし、はーちゃんはすごく怒っていた。

「子どもを睨むなんて!!ありえない!」と。

「僕は、そんなにたいしたことないよ。大丈夫だよ。」と幸人くんは言うが、はーちゃんは、怒ってばっかり。

「それに市役所の人たちもいいこと、言ってるんじゃないかな」と幸人くんが言うもんだから、僕はビックリ!あわてて止めようとしたが、

「だって、市役所の人たち、定職につけって、言っているんでしょ?あと、僕、本で読んだけど、”せいかつほご”っていうのもあるらしいじゃん。それ利用するのもいいじゃん。」はーちゃんは

「市役所には世話にはならん!」と怒って、また寝てしまった。


次の朝。はーちゃんと幸人くんはケンカ中。幸人くんは、譲くんが言っても聞かなかった。

「この場所がいい人もいるから、そんなこと言ってはダメだよ。」と、僕が言って、やっと幸人くんを聞いてくれた。


それを聞いた、たぬきさんが、こうも続けた。

「役所の人はね、こんな僕たちのことを厄介者扱いしてるんだ。景観が悪いと言ってね。」と言った。えっ、そうだったのか!許せんな!幸人くんも僕も立腹してしまった。譲くんのほうを見ると、知っていたらしい。それで、僕の事を”凄い”と…。

「じゃあ、ここにいてよ。」と幸人くんが言った。

「市役所の人が悪いじゃん!」「そうだね。」たぬきさんと幸人くんは、その夜、遅くまで話し合っていた。

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