第十三章 譲くんと茜ちゃん

第13話

幸人くんは尋ねられたので、

「ゆきとだよ。」と答えた。茜ちゃんは

「へぇ~」と言い、幸人くんを観察し始めた。一緒に居た、たぬきさんは困った。お店に居た譲くんが

「こらっ、茜!お客様に変なことしたらバツだぞ。」と言って、茜ちゃんを軽く叩いた。

「いたっ、えーん、お兄ちゃんがたたいた~」と言って、幸人くんの背の影に隠れてしまった。

幸人くんは困った感じで、茜ちゃんと譲くんを交互に眺めていた。

「もうっ、茜ったらっ!」と母親らしい人が出てきた。

「ごめんなさいね。大丈夫かしら?」と言ってきたので、幸人くんは照れてしまった。

「はい、大丈夫です。」と言うと、

「ダメッ、ゆきとは私の、なんだから~」と茜ちゃんは言った。幸人くんは困ってしまった。

「うーん、僕のことはいいから~」ともじもじして困っている。たぬきさんは、幸人くんの、あまりの可愛さに、つい笑ってしまった。


「なんだよ!たぬき!何か文句あるのか!」と幸人くんが言って、

「別に。」と言うが、たぬきさんは大笑い。

「なんだよ!」と足をドンとした。その足が茜ちゃんの足に偶然にもぶつかってしまった。たぬきさんが幸人くんに

「ごめん、は言わなくちゃいけないよ。」と言い、幸人くんが「ごめんなさい」と言い、丸く収まった。

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