第十二章 八百屋
第12話
次の朝、幸人くんと一緒にラジオ体操しよう!としたが、断られた。そんな子どもなものは嫌だって。そしたら、たぬきさんが
「そしたら、僕と一緒に買い出しに行こう!」と言って天文橋まで行った。天文橋というのは、いろんな食材が買える市場みたいなところだ。
「今週は、いろんなものが買えるからね」と言って、ウキウキ気分で行った。後で、はーちゃんに聞くと、
「先週は、お金が入ったらしい」だって。
「隠すんだよ、たぬきさんは。前とられた事があるから。」ふーん、そうなんだ。僕は哀しそうな顔をした。そんな僕を見て、はーちゃんが
「大丈夫だよ、その人は出ていったし。」と言った。
その時間と同じ時刻。幸人くんは天文橋にいた。
市場の喧騒に「わー」と驚いていた。たぬきさんは、そんな幸人くんを見て「可愛い」と思ったが、言わなかった。
そして、ある八百屋さんに着いた時、たぬきさんの聞き覚えのある声が聞こえた。
「へい、らっしゃい、らっしゃい!」と可愛い声で。行くと、茜ちゃんだった。
「今日は、どうしたの?ラジオ体操は?」と、たぬきさんが言うと、茜ちゃんは
「ラジオ体操は休んだの。うちのお手伝いがあるから。」と答えた。そして、
「その子、だぁれ?」と尋ねてきた。
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