第4章

第5話

そのカメラの人は、例の薬局のレジのおにいさんだった。俺は驚き、「何してるんですか!」と怒鳴った。でもレジのおにいさんは、「大丈夫だよ、僕は優子ちゃんのカメラマンだから」と言ったきりだった。


その間、優子さんは震えっぱなし。

気持ち悪いな、この男。俺はそう思った。でも、今は、このレジの人のことを考えてる暇はない!優子さんを守らなければ!という使命感にあふれ、「あなたが撮ると、優子さんが困るのでやめてほしいです」と、やんわり断った。


すると、レジの人は「優子ちゃん、俺というものがいながら!なんだよぉ…」と泣き出した。

めんどくさいやつだな……。ため息をついていると、優子さんが俺の前に出てきて、「私は、あなたのことを想っていません。むしろ……中田さんのことを愛しているんです」と言い出してきた。えっ!?あ、愛?今、なんて?


優子さんは、レジの人を無視して俺に向かってこう言った。「ずっと気になってたんです。でも、今日の件で改めてわかりました。私、中田さんのことが好きです」と。な、なんで?と問いただすと、「中田さんは、気遣いができるし、優しいし、完璧な人です」と言った。そして更に、優子さんは俺に抱きついた。

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