第5話 いじわるなファーストキス

 付き合いはじめてからまだ手しか繋いでない。なかなかキスをするタイミングを見つけられなかった。

今日は魁斗が風邪で休んだと聞いたから、

様子を見に行くとズル休みだと言われた。

ここだと思った瞬間に手を伸ばしたが、届かなかった。身長差がありすぎた。


「な、何してんのよ。そう言うのは俺からだろ、普通」


 そう言って魁斗は、屈んで優しく頬にキスをした。唇にするかと思っていたら寸止めで頬に移動する。


「え……」

「何、どうかしたの?」


 魁斗は、ニヤニヤと悪魔みたいに意地悪な顔をする。


「な、なんでもない!」


 と私が怒ると不意に何かが唇に触れた。

 してやったりのドヤ顔をする魁斗に見て

 頬を赤く膨らました。


 私は、すぐに笑顔になった。

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