第6話 秘密な関係が続いている

「今日は何時まで一緒にいられるの? 

 旦那さんって何時に帰ってくるの?」


 この関係が続いて、もう半年は経っていた。ダメだと思っていてもそばにいたい。ただ横で添い寝してもらうだけなのに、それだけで満たされている。お金を払ってるわけじゃない。中学の同級生でたまたま一緒だったトレーニングジムで再会した。当時は何とも思ってなかったのに大人になってから独身という自由な肩書きに魅了される。出張で、家を空けることが多い夫の代わりに相手してくれる。


「今日は帰らない。県外に出張」

「一緒にいられるんだね」


 その言葉を発して、すぐに玄関の扉が大きな音でガチャリと開いた。


 ここにいるはずのない人がここにいる。

 思わず息をのんだ。

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