手記
一ヶ月くらい前から、この町では雪が降り止まなくなってしまった。原理は判明していないらしい。もしかしたら、今まで人類が積み重ねてきた天気に関する知識は根本的に間違っているかもしれない、ということがわかって、世界は騒々しくなった。特にオカルト的な集団が世界各地で誕生し始めて、なんだか面白い。
中学校はずっと休校で、オンライン教材を使おう、みたいな話も出ていたみたいだけれど、あいにくの雪でインターネットが接続されず、それも叶わなかった。私は雪が降り始めてから、アナログと向き合うことになる。スマホやパソコンが使えない生活は、二週間もすれば慣れ始めて、最近では私も小説を書き始めた。そのついでに、この手記も書いている。
そういえば、私は最近夢を見ている。やっぱり雪が降り止まないまちで、彼とずっと話している。彼はあの気だるそうな声でさまざまな話を聞かせてくれて、私もそれを楽しく聞いている。いつかこの夢が現実になることを願っている。
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