第40話
「じゃあ三葉の紹介はさっきしたから私のことも紹介してもらおうかな。私達は二人みたいに長い付き合いじゃないから結局はお付き合いしてからの方が分かるの早いこともあるだろうし。三葉、いける?」
「いける、もう大丈夫、何でも話す。俊介さん聞きたい話とかあります?」
「んー俺からか……そうだな、女の子同士で話してるときはどんな感じ?」
「そうだな、結構ノリが良くてわちゃわちゃしてるときもあれば、何か落ち込んでそうな子がいたら急に察知して優しくなるときもあるみたいな。
結構場の雰囲気に合わせて話すけど、基本的にはノリの良いタイプですね。陽キャ運動部女子って感じ。
短距離走なら大分速いです。本人は二年の時に部活辞めたからブランクで遅くなってるっていってるけど。
恋愛の話とかも結構相談乗ってるの見るけど男見る目ある感じって言うのかな、咲良が『そいつは止めといた方が良い』って言った人はロクでもないことが多くて。
まだ大学始まって一ヶ月しか経ってないのにもう二人それで救われた命があります」
「男見る目ある、か。彼氏もいたことある感じ、だよね多分」
その言葉は咲良と三葉の間の空間に飛ばされた。
「高校の時はいたって言ってましたよ、でも別れた理由までは聞いてないかな。咲良話す気ある?」
「ただちょっと部活とか勉強で忙しくなっちゃっただけかな、特にトラブルがあったわけじゃ……あ、今はもう好きじゃないですよ」
「分かってるよ、咲良ちゃんそういう子じゃないだろうなって勝手に思ってる」
そんな言葉、少ししか話してないのに言われたらこっちがどんな気持ちになると思って。どこまでがわざとじゃないのか分からなくなる、どんどんのめり込んでいく。
「で、咲良も部活とバイトには結構のめり込んでやるような努力家タイプだと思います。バイトに関しては夜の居酒屋でバリバリ働いてるみたい」
「危なさそうなとこで働いてるね、大丈夫?」
「今のところ全然大丈夫です。酔ったお客さんの相手してるだけで時給が出ると思うとなんとも」
「咲良ちゃん結構メンタル強いんだね、運動部だからで片付けて良いのかもわかんないくらい。でもなんかあったらいつでも電話してね」
「ありがとう、ござ……さすがにタメ口にしたいかな、ありがとう」
「そっちの方が嬉しいかな、こちらこそ。三葉さんもいろいろ教えてくれてありがとう。……結構良い時間になったと思うんだけどこれからどうする?」
「そうだな、三葉、古川さんと二人きり大丈夫?」
「大丈夫だと信じたい、私も二人でお話ししたいし」
また古川さんが顔を赤くした。この子やけに素直になってるのに自分で気付いてないな。
「じゃあ二人ずつに分かれますか。二人ここ使って良いよ。咲良ちゃん、ちょっと移動でも良い? ごめんね」
「あ、全然。じゃあね三葉、頑張れ」
そう言って二人で席を離れた。
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