第37話
「いや、あんまりに三葉が緊張してるからかわいくて面白くって。……私からも三葉のこと紹介するね、三葉は理学部の一年生で大学に入ってからの友達です。
名字はさっきも聞いたと思うけど飯塚。私達結構二人とも共通点が多くてすぐ仲良くなって、私も素敵な彼氏作ってくれたら安心かな、なんて思ってます。
今日は緊張しててこんな感じだけどいつもはもうちょっとカジュアルな感じの子だし話しやすいから古川さんもあんまり緊張しなくって良いような気がするかな、余計なお世話だけど」
三葉から肘鉄を食らいながら最後まで話しきった。
「あ、そうなんだ結構カジュアルな子なんだね。俺すごい女の子っぽい感じの子いたから緊張しちゃったけど……普通に話しても大丈夫ですか?」
「もちろんです、私も大分緊張してるけど普通にお話ししてくれるとありがたいです。あ、あと咲良が普段の俊介さんのお話も聞きたいみたいで。私も普段の古川さんのお話聞きたいなって思ってて」
「あ、そうだね。こっちも二人の普段の話とかも聞きたいかもしれない。それから三葉さん、名前でいいよ。タメ口で良いし。一応彼氏候補として紹介されてるのに俊介に負けてるのもなんか嫌だからぜひ」
「あ、じゃあ賢人君……で、いいですか」
「もちろんです」
なんだかんだ古川さんも距離詰めるの巧いじゃんか、と思いながらその初々しすぎる会話を微笑ましく聞いていた。そこに割って入ったのは俊介君。
「二人とも堅い、緊張しすぎ。賢人そんな感じじゃないじゃんいつも。もっと騒いでんじゃん」
「ちょっと余計なこと言うなよ、今真剣勝負してるんだから」
こっちも理学部女子との一対一の合コンだと思って来た感じか。隣の三葉を見てみればその”真剣勝負”の一言にやられたようでもうピクリとも動いていなかった。
「三葉、三葉もさん付けじゃなくて良いよね? 三葉ちゃんとか三葉とかで」
もう言葉すら発さずにコクコク頷いたのを見て「三葉ちゃん、でいいですか」と古川さんが聞いて、また三葉は動かなくなった。
「これ多分大丈夫です。この子すごい緊張してるだけで、いつもはそれこそ結構騒いでるような子だからきっと古川さんとノリ合うと思います。
……二人だとお見合いみたいになって二人とも固まっちゃうみたいだから今のうちに普段の俊介君のお話とか聞いても良いですか」
「あ、もちろん。咲良さんから見てどんな感じ?」
ここからは自分の彼氏になる人の普段の様子の調査、スタート。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます