第4話
その授業では「発達障害は個性であって障害ではないから、目の前の子一人一人と向き合って一緒に勉強していくことが大切です」と言われた。
そう、そうだよね。そうだと思ってた。発達障害の勉強もしたけど、調べてみたら調べてみたら苦手なことばっかりじゃなかったもん。得意なことだって特性の中に見つけられたもん。それに本人やその家族が気づけるようにしてあげれば良いんだ。
たとえば自閉症の子はコミュニケーションが苦手って言われてるけど、自分の興味があることには人よりも集中できる才能がある。それってすごく素敵なことじゃない? 私なんて小学校の一時間分集中するのだって一人だとできない時もあるもん。大学の授業だって耐えられずに寝ることもあるし。
ADHDの子はうっかりしたり不注意なことが多かったりするけど、その分いろんな事を考えていろんな事に興味を持てるって事だもんね。それも人生のどこかで夢に繋がったり、生活の中で役に立ったりするかもしれない。私が考えたことないようなことを見つけられるかも。きっとすごく頭を回しているんだもんね。
知的障害の子だって苦手なことは多いかもしれないけど、特別支援級にきたらできることをゆっくりのペースで増やしていける。普通の学級よりもきっとその子にあった指導方法ができる。他のそれに類する学習障害みたいな障害の子だってゆっくり向き合ってその子のペースでやっていけばできるようになることが沢山あるはず。
体の障害がある子だってなんにもできないわけじゃない。その分補って得意になれることだってあるはずだもん。それに体の障害で考えは制限されない。たくさん考えて素敵な大人にだってなれるはずだ。
待っててねいろんな障害のある子達。私がこれから先生になって自分の素敵なところをいっぱい見つけられるようにしてあげるからね。
ちゃんと向き合って苦手なことだって一つ一つ克服できるようにお手伝いするからね。
私が特別支援の先生になりたいなら、障害に偏見なんて持ってちゃいけない。
でも良いところをたくさん知ってるんだからもう障害に対する偏見なんてもう既に持ってないようなものだ。
どんな”障害”と呼ばれるものを持つ子にだって私は偏見なんて持たないし、平等に大事にする先生になるんだ。
私はその子達の思い出に残るような、手助けをしっかりできるような先生になるんだ。間違えたりしない先生になるんだ。
ーーあの、私が大好きだった優しい先生みたいになるんだ。
その授業を受けて美菜実は本格的に特別支援について、また障害について勉強して専門の教員になることを決めた。
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