第15話

可奈は明るく根からいい子なのに、可奈に寄ってくる、しかも可奈が選ぶ男は皆”女なら誰でもいい”だの”恋愛がしてみたくてとりあえずよく話してくれるし近くにいるから”だのろくでもない男ばかりだった。小中高と女子校だった可奈はそんなのに端から引っかかっていった。


女友達なら最高にいい子が寄ってくるのに残念ながら可奈に男を見る目はないようで、そのたびに唯は可奈の相談に乗っていた。


「ねえ唯、今日の部活終わりに男バスの男の子から好きですって言ってもらったの! ついに私にも春が来た?!」


「えーおめでとう!! 部活内恋愛なんて素敵じゃん! 初彼氏といろいろ楽しんでねー、なんか素敵なことあったらまた聞きたい!」


「もちろん、唯には一番に話す!」


なんて話してから一ヶ月もしないうちに


「ねえ唯、彼氏の隆君が夜景見に行こうって誘ってくれたの! あさっての夜ちょっと遠くのセンター街まで出て夜ご飯食べてから夜待つんだって!」


「え、ちょっとそれ何時に帰ってくる予定? センター街がきれいになるのなんて真っ暗になってからじゃない? あの辺夜はあんまり治安良くないって聞くけど」


「えーっとね、終電で私の家の最寄りに着くくらいかな」


「いやいやいやちょっとまって隆君の最寄りそこから四駅くらい離れてるよねたしか」


「ん? そうだよ、結構離れてる。だから現地解散の予定!」


「ちょっとまった、可奈が喜んでるとこ悪いけどそれはさすがに送り出せないよ、だって最寄りから真っ暗な中家までせいぜい自転車でしょ? しかも雨降ったら歩きでしょ?」


「そうだけど大学生ってそんなもんじゃないの? 普通だと思ってた」


「いやだってさ、逆に私が彼氏に誘われていくっていったとしてさ、最寄りから私のうちと可奈の家ほぼ同じ距離だけどその時間に私が自転車で家まで帰るって行ったらどうする?」


「絶対止める。危なすぎでしょ。せめて彼氏の送りがなきゃだめ」


「言ったね? 可奈の彼氏今それさせようとしてるんだよ?」


「確かに……そりゃ唯も止めるわ……」


なんてことになって可奈の初めての彼氏とはそのまま破局した。

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