第30話

片方の足が自由になると男が携えるナイフで女のスーツを下へと切れ込みを入れ、


待ち切れない様子で一気にスーツを後ろまで引き裂く。



男が女の太ももを掴み糸を引くそこを覗き込むようにしゃがむと、女が足を閉じようと、男に掴まれた手から逃れようとする。



「っだめ・・・・見ないで・・・」


「・・・何故だ」


「な、何故って・・・き、汚ないから・・・」


「・・・それはこの3体に弄ばれたからか?」


「違うっ・・・そういう意味じゃなくて、」


「では消毒する必要があるな。」


「あッッ」



無理矢理掴まれた太ももをこじ開けられ、そこが男の顔前に晒される。



溢れ出るものを勿体無いとでもいうように男が舌を出し受け止めると、そのまま一気に女のそこへと吸い付いた。



「んああああ・・・ああッッッ」



突如絞られるような刺激に抑えきれない声が溢れ、牢内四方の壁を跳ね返り女の鼓膜へと反響する。



女の声を確かめながらも男が吸引の強弱をつけていった。



声が途切れ途切れになる頃には背筋を羽で撫でられるような感覚へと移り変わる。



舌を割れ目に沿ってなぞられ、赤く膨らむ芽を指の腹で転がされて



強すぎず弱すぎない一定の刺激が女の腰を前へ前へと男の指に擦るように動いていった。



羞恥と愛する男に愛撫される悦びが全身を駆け巡り、脳内をぐらぐらと揺らす。



2人が敵国の同士であること等全て忘れ去らせるくらいに。




何故自分たちはヴァンパイアとハンターなのか、


何故自分たちは同国に産まれなかったのか、


何故、何故・・・


いつもそれに辿り着く先は、自分等産まれてこなければ良かったと存在意義の否定に繋がる。



でも快楽だけはそんな意義も全てどうでもよいことに思わせてくれた。



いつか2人の愛が報われる日が来るのではないかと、甘い甘い夢をこの非情な男は女に与え続けていた。

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