第27話

「もう血の匂いに我慢できねーよ!」



女の背後へと回った一人の男が耳元に息を吹きかけながら女の臀部を撫で上げた。



3人の男が女を囲むようにその身体に牙を近付けていく。




しかし何故か女の顔には安堵の表情が浮かんでいた。



音もなく地下牢へと入って来たその人物は、女の乳房を弄ぶ2人の男の背に銃を突きつけていた。



「・・・・そんなにお前らは死に急ぎたいか。」



唐突に重低の声が脳内を刺激し、2人の男が驚愕の表情で振り返るとパーーンッッと何の躊躇いもなく二丁の引き金が引かれた。



額を打たれた2人の男がその場に身体を崩し倒れ込む。



女の背後にいたもう一人の男が引き金を引いた人物の顔を見据え、絶望の表情を造り上げる。


黒髪の男が静かに問い詰めた。



「・・・・誰の許可でこんな所にいる?」


「え、ええと、」


「・・・・何故女のスーツが裂かれている?」


「そ、それは」



背後の男が後退あとずさり、背中が壁に当たる。



と同時に黒髪の男が再び引き金を引き、男の額を一撃で捕えた。




3体の死体が女の周りに白目を剥きながら転がり、冷えた牢内にヴァンパイアの血をはべらせていく。



「生臭いな・・・・」



黒髪の男が冷え切った赤い目を光らせ、死体を蹴り女の足元を空けていく。



「・・・・何も殺すことなかったのに・・・・。」



手足を鎖に拘束されながらも女が恐怖の色も見せず淡々と言った。



「お前の肌に触れさせるだけでもゆるしがたい。」



黒髪の男が赤い目を女に向けると直ぐに女の唇を塞いだ。



「んっッ」



女の唇がゆっくりと濡れていく。



無理に舌をねじ込むことなく、女の唇の感触をしばし堪能するように甘噛みをほどこした。

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