第14話

静かな最下層の地下牢。



真っ黒な髪に真っ黒なボンテージ調の全身スーツ。



髪は細かくうねり、その豊満な形がはっきりと分かる身体に密着したスーツ。



風も通らない地下牢で両手首を天井から鎖で吊るされる女が一人、



鎖の金属音がカシャリカシャリと音を立て、その身をよじらせていた。



妖艶なその姿を食い入るように見つめる青年が唇をぺろりと舐めると、


地下牢から声にならない声が漏れ始めた。



「ッッ・・・・ん"んーーー・・・・」



口いっぱいに媚薬を染み込ませた布を詰め込まれ、女が顔を赤く染め上げる。



声を出そうとすればするほど媚薬の雫が口内に広がり、声を我慢し噛めば噛む程に媚薬が身体へと流れ込む。



ほくそ笑む青年が一人、椅子に座りその姿をじっくりと眺めている。



「あなたのけがれた身体は僕が消毒しますので安心して下さい。」



涼しい声でさらりと金色の髪を輝かせるその青年は、女のスーツ内に忍ばせていた粘着性のある物体、スライムの動きを見て愉しんでいた。



きつく閉じれたスーツの中で二匹のスライムが上半身と下半身でうごめく。



黒く艶めくスーツがぼこぼこと形を変える度に女は身を小さくまとめようとするも、手首は天井から吊るされ、足首も下から鎖で繋がれている。



四肢を斜めに囚われ、身体が✕を描くような恰好で。

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