第13話

金髪の端正な顔立ちをした青年が、流れ出る血に顔をしかめる。



「僕と数人の看守でここを見張りますんで、皆さんで頑張って全員捕まえて来て下さいね。」



彼の言葉に赤髪の男が「はいはい」と適当な言葉を返した。




「1時間で終わらせる・・・。いいな?」



黒髪の男が一言呟くと、看守達に緊張感が走り冷や汗を流す。



隊列の向きを変え、第三層を出て行く看守達と3人の矯正監。



監獄内には金髪の青年と数人の看守が残された。



「僕はこの下を見張るから、皆さんは第一層から第二層をお願いします。」


「はっっ!!」



青年に向かって敬礼をする看守達。



青年が第三層を出て行こうとすると、看守達が敬礼を止め姿勢を崩し始める。



でも直ぐに彼が看守達の方を振り返った。



「ああ、あとそこ、掃除お願いしますね?」



看守達が再び姿勢を正し敬礼をする。



青年がそこ、と指を差した先には血を流す髭の男の姿があった。

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