第5話

「・・・さっきの5人、お前を襲おうとしたのか。」



「・・・・・」



足枷が外されていたのはそのためだと、見た瞬間にこの男は悟っていた。



「・・・・・アイツらは下っ端だ。いくら5人とはいえやり方が悪い。

なんせヴァン・ヘルシングの娘だからな。」



「・・・・・」



男が女の鎖骨あたりから下腹部まで続くボンテージのジッパーに手を掛けた。



ジーーー・・・・



その刹那、女が真横から男の腰を狙って蹴りを繰り出した。



が、男はそれよりも早く女の首元に小さな注射器を刺していた。




「!」




注射器が無造作に抜かれ床に捨てられる。



女は今しがた繰り出した左足を震わせ、そのまま男に掴まれた。



ブーツの爪先にはナイフの刃が光っている。



「仕込みナイフか。誰だよ身体検査した奴。」



女が徐々に全身を震わせ始めた。



「な・・・なにを打ったの・・・」



「・・・さあな。


ほら、身体がどんな感じになってきてるか言ってみろよ。したら分かるんじゃねぇの?」



「っ・・・・」



男は女の穿く長いブーツを左太腿からジッパーを下げ脱がせ始めた。



ジーーー・・・・



ジッパーを親指と人差し指でつまみながら、わざと中指で太腿からつたい下ろした。



「っふぅ・・・・」



女が甘い息を漏らす。



思わず漏れた自分の声に、女はカアッと顔を赤らめた。

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