第152話
でもそんな凌久の優しさに
思い浮かべるのはやっぱり里桜のことで、
ラインの通知をONにしたスマホが気になりショルダーバッグを何度も触ってみる。
一度スマホを出してラインを確認したい。
「・・・バッグが気になんのか?」
「・・・別に。」
「そのバッグ、洸太郎の弟に買って貰ったのか?」
「そうでしゅ。」
「・・・へえ。」
大きなリボンとフリルがついたバッグ。
当然こんなのも私に似合うはずもなく、凌久がちょっと眉をひそめるのが分かった。
「そういや昨日、お前が寝てる時金髪頭に会ったよ。」
「え?!やっぱり?!!」
私の大きな声に凌久が目を見開いた。
思わず出てしまった声に、自分の顔が熱くなる。
「・・・何?金髪から聞いてないの?」
「え・・・う、うん・・・。私が起きた後、里桜直ぐに帰っちゃって・・・」
「は??」
凌久が不思議そうな声を出した。
次に「何で帰ったの??」という声が聞こえて来そうなくらいに。
そんな声を出す意味を、私は知りたいんだ。
「里桜と・・・何話したの・・・?」
「・・・・・・」
何も言わない凌久。
あまりにもか
ちょっとボリュームを上げて聞いてみた。
「・・・何、話したんでしゅか?」
私にしては上出来の聞き方だ。
でも凌久は進行方向を向いたまま
「・・・内緒。」
とそっけない素振りで返すだけだった。
・・・余計気になるじゃん。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます