第145話
「織果、また1人か?
俺だ。」
なんだ。なんでこの声なんだ・・・
聞き覚えがあるも何も昨日の今日だ。
しかも彼の声には特徴がある。
ちょっと色気を含んだハスキーボイス、
心配するような彼の声に私は思わず叫んだ。
「凌久?!!」
「ああ。」
何の疑いもなくドアを開けてしまうと、そこには
銀色の髪を陽で輝かせ、白いTシャツに革パン姿の凌久が立っていた。
朝にも関わらず完ペキなイケメンの出で立ちだ。
「・・・おい、直ぐにドアを開けるな。
危なっかしい。」
「え?!何で凌久が?!!志藤しゃんが来るんじゃないの?!」
「・・・志藤・・・??俺は須藤だ。俺が来ること瞳子から聞いてないのか?」
「え?!瞳子しゃんを知ってるの?!!」
「・・・知ってるも何も腐れ縁だ。」
とりあえず部屋の中へ凌久を入れると、凌久が私の姿を見て言った。
「お前・・・何でそんなでかいシャツ着てんだ・・・。ちゃんと着替えてからドア開けろ。」
「・・・ごめなしゃい。」
「・・・・」
「着替えるからちょっと待ってて。」
凌久が溜め息をつきながら居間に座り込み、「早くしろ」というように私に向かって手を払う。
あまりにもみすぼらしい恰好にきっと呆れているのだろう。
布団の部屋に行き襖を閉めると、
宗平に買って貰った服、ハン君に買って貰った服を見渡し、
私は迷わず宗平に買って貰った服に手を伸ばした。
宗平に買って貰ったフリフリヒラヒラの服は正直言って動きにくいけれど、自分は"bad jorker"の一員なのだと示したかった。
昨日四竃に言われた言葉が今も胸に響いている。
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