第141話

それから2人で歯を磨いて、2つ並べられた布団の中に入った。



「・・・その"fake loserフェイクルーザー"ってさ、4人組のチームっしょ?」


「え?知ってるの??」


「まあ"須藤凌久"ってのはそれなりに有名だよね。同じヴァンパイアだしさ。」


「・・・・そうなんだ・・・・。」


「あとロリコンでも有名。」


「・・・・・・」


「かなりモテる奴なのに勿体ないよね~。」



・・・それは四竃もじゃないの??


モテるのに熟女にしか興味無いんでしょ??



「でもまさか二越サンの兄貴が須藤の仲間だったなんてね。驚きだわ!!」


「・・・うん。」


「まあでも俺らが勝つからさ!

ルカちゃんは大船に乗ったつもりでいてよ!!」



四竃が横を向いて私に可愛くウィンクを贈ってくれた。



「でも、向こうは5人だよ??私が元に戻ってから決闘しようよ。」


「5人??4人組じゃない?」


「え?5人だよ?5人いるの見たもん。」


「えー、じゃあ1人増えたんかなあー。」



なんて他愛ない会話をしながらも、


仰向けになった四竃の目が暗い部屋で鋭く光りを放つ。



「・・・向こうも全員ヴァンパイアなんだよね。暴行事件とは何の関わりもないんかね?」


「・・・・・」


「このタイミングで喧嘩売ってくるとかちょっと疑うよね。」



そう呟いた瞬間、


四竃のスマホのバイブが鳴った。


仰向けのまま頭の上にあるスマホを手に取ると画面の明かりで四竃の顔が青白く照らされた。



「・・・あ、三潴サン無事片付いたってさ。

一氏サンも一緒だったらしいよ。」



・・・今は何時だろう。


きっと21時は回ってるはず・・・。


ちゃんと2人にもお礼言わないとな。。




画面を親指でスクロールするなり四竃がフッと笑い出した。



「三潴サン、これからボコった奴の女とお楽しみだってさ!いやあさすが!!元気だなー!!」


「・・・」



え、全然笑えないんだけど。何がそんなに面白いの。


というか、里桜は??


ねえ、まさか里桜も"お楽しみ"だったりするの?!!


どうしよう、


心臓がドキドキしすぎて全く眠れない!!



ニヤニヤしながらスマホを見る四竃。


隣で血眼ちまなこの目でそれを見る私。



・・・四竃のスマホが気になってしょうがない!

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