第140話

「四竃・・・・ありがと・・・・」



声をつまらせながらも一番伝えたい言葉を伝えた。


でも、全然足りない。



「たくしゃん守ってくれてありがと、


学校もバイトも休んでくれて、ありがと・・・」



「・・・ん」



喉を鳴らす四竃が、無理に鼓動を落ち着かせようと間を置く。


でも、また私に言葉をくれた。



「ごめんねルカちゃん、

総長にしちゃったのは俺なのに・・・

全然守れなくって、


ほんとごめん・・・・。」



四竃の肩が私の涙で沢山濡れて、きっと冷たいはずなのに、


私の背中が反るくらいに抱き締めてきて・・・



四竃もずっとずっと責任を感じて来たのかもしれない。


きっと弱い部分を見せない私に、四竃もずっと弱さを見せられなかったんだ。



四竃は間違いを直ぐに正してくれて、私はやっぱりこのチームの一員なんだと実感させてくれる。



私、出会えたのが4人で、本当に幸せだ───





それから暫く四竃は私を抱き締めてくれて、


少し私の顔を離すと、ぐちゃぐちゃになった顔をそっと覗き込んできた。



「ルカちゃん、ブサイク。」


「・・・うるしゃい!」



ちょっと笑いながら四竃がタオルで顔を拭いてくれた。



「ルカちゃん、今度は俺とお風呂入ろっか。」


「いい!1人で入って!」



四竃がまたテレビの電源をつけると私のおでこにちゅっとキスをしてお風呂に入って行った。

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