第139話

「ごめな・・・しゃい・・・


ごめ"んなしゃい・・・にゃんこー・・・」



どれだけ上を向いて泣いても涙は溢れる一方で、


ついに嗚咽おえつを漏らし始めた私は、床にうずくまろうと膝をついた。


でも膝をつく私を


四竃が思い切り両腕で覆うようにきつく抱き締めた。



華奢な身体つきだと思っていた四竃の身体はずっとずっと大きくって、


でも甘さと弱さを含んだ声が私の鼓膜を小さく振動させる。



「・・・頼むから、もっと今みたいにさ、

言いたいこと沢山言ってよ・・・」


「うん、」


「じゃないと、不安になるんだよ俺・・・。」


「うん、」



四竃はいつだって私に沢山の言葉をくれる。


私も同じくらい四竃に返さないと・・・。



今からでも、間に合うかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る