第135話
きっと四竃に嘘は貫き通せない。
でもどこかで、このまま掘り下げずそっとしておいて欲しいという甘い気持ちもあったのは確かだ。
凌久を庇ってしまったという後ろめたさをこれ以上突っ込まないで欲しい・・・・
のに・・・・
2分くらいの沈黙は当然のように破られた。
「・・・ルカちゃんの悪いとこはそうやって何も言わないところだよ?ちゃんと声を大にして言わなきゃ、それこそ只の甘えん坊のお荷物になっちゃうよ??」
「・・・っ・・・」
「俺は皆みたいに甘くないから、ルカちゃんがほんとのこと言うまでずっと言い続けるよ?」
「・・・・」
・・・・四竃には敵わない・・・・
何をどこから、どう話せばいいのか・・・
私は庭に洸太郎が来てからの話をした。
宗平の兄である洸太郎に血を飲まれそうになったこと、
大学の友達であるハン君が助けてくれたこと、
でも2人は仲間で、訳も分からず車で連れて行かれたこと、
服やぬいぐるみを買って貰ったこと、
凌久の家に行ったこと、
蘭と斗和っていう仲間もいて、一緒にお昼を食べたこと、
皆がうちのチームに喧嘩を売りたいって言ったこと、
そして凌久に「俺の元に来い」って、
「守ってやる」って言われたこと・・・
多分凌久と里桜が鉢合わせしたこと。
里桜にも嘘を見透かされてたのに、嘘を貫き通したこと。
里桜にバカって言ったこと・・・。
自分で言葉を並べてみて、
ようやく嘘をついてしまった代償の大きさに気が付いた。
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