第133話

でもほとんど力の入っていないビンタは直ぐに止められてしまう。


四竃が私の手をパシッと掴むと、ペロッと唇から垂れる私の血を舐めて


そして私の手に付いている歯型の痕を見て言った。



「・・・ルカちゃん、

傷付けるよりもちゃんと声に出してよ。」



「・・・え・・・」



何を言っているのか・・・


四竃が言わせないようにした癖に・・・。



無表情のままちょっとムッとして四竃を睨んでやった。


でも四竃の猫の目が一瞬鋭く光った気がして


直ぐに虚ろな目に戻ると、そのままパタリと床に倒れてしまった。



「zzzz・・・・」


「・・・・・・」



深夜に人んちで散々好き放題やっておきながら


彼は寝た。


寝ている四竃の頭を思い切りバットで殴ってやろうかとも思ったけど、


あまりにも気持ち良さそうに眠る四竃はやっぱり可愛い。


ペットであるカマドウマのトウマ君と同じくらい可愛い。


従順な犬みたいなカマドウマと自由気ままな猫みたいなヴァンパイア。



その後私は四竃をお姫様抱っこして四竃の部屋まで運んだ。

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