第111話
1年前、私に手を下した主犯格のメンバーは罰金刑に処され直ぐに支払われたため、全員が懲役を免れた。
ちょっとした反省の色を見せる演技力と、親の金の力で今も彼らは、のうのうと暮らしているらしい。
不快でしかない。
同じ外の空気を吸っているかと思うと吐き気がする。
・・・そんな彼らにもついに鉄槌の杭が打たれたということか・・・
いや、暴行を暴行で返せばいいってもんじゃない。
うん。
私は今それはそれは小さな女の子なのだから「ざまあみろ」なんてことは決して思ってはいけないのだ。
四竃が布団の部屋に入って来ると、カブトムシの幼虫のぬいぐるみを摘まんで凄くイヤそうな顔をした。
直ぐにぬいぐるみを置くとしゃがんで私を見る。
「ああ、それってもしかして俺らが疑われてたってやつっすか??
しばらく尾行がついてたよね??。」
「ええっっ??!嘘?!」
「・・・最初はね。」
宗平が私から目を離すと斜め下に視線を落とした。
その目は私と同じ、死んだ魚の目をしている。
・・・暴行事件で疑われてたなんて・・・
そんなの、全然知らなかった!!
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