第112話

「暴行事件って・・・な、殴られたり・・・??」


「・・・ああ。それと咬まれたり。。」


「え・・・、か、咬む?!それって・・・」


「ヴァンパイアが犯人なんだよ。」


「・・・・・・」



この町、いやこの日本という国の括りだとしてもヴァンパイアは限られている。


それに犯人は1年前の事件を知っていて、彼らに恨みがある奴ってこと・・・?


それとも暴行事件は見せしめに、

私に恨みがある奴ってこと・・・??


自分で思いながらも武者震いがした。


きっと私の表情が青冷めていたのだろう、四竃が私の頭を優しく撫でてくれた。



「大丈夫だよ、ルカちゃん。」


「・・・・四竃・・・・」



四竃のしなった猫目が可愛いくって、ついその顔に見とれてしまった。



「四竃・・・今日バイトは?学校は??」


「ん・・・今日はどっちもサボり☆」


「・・・・・」



小さくなった私のために只でさえ大事な収入源と、その収入で通っている高校をサボってまで来てくれるなんて・・・


それに宗平も、ほんとは煙草嫌いじゃない癖に、あの時私が怖がらないよう瞳子さんの煙草を遠ざけようとしてくれたんだ。



なんて私は甘やかされているんだろう。


20歳の私なら甘やかされることが不安でしかなかったのに・・・


今はそれが悪くないとさえ思える。


何でだろう。


子供の脳って不思議。


皆の好意を素直に受け止められるって、

全然悪くないことだ。

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