第103話

バイトで接客業が出来ないのは無愛想な顔のせいもあるが、


その事件で私は"対人恐怖症"になったから。



慣れない人と話すのが怖い。


周りに自分がどう思われてるのか考えるのが怖い。



大学は瞳子さんが学費を払ってくれていたからなるべく行こうと努力した。


1日行っては2日休み、でも1日行って1週間行けないこともあった。


授業の代わりに特別にレポートの提出で対応してくれた先生もいる。



多分、そんな様子を見て宗平が度々送り迎えをしてくれるようになったんだと思う。


四竃は同じアパートに住んでくれるようになったし、


里桜と三潴はちょくちょく私の様子を見に来てくれるようになった。




里桜なんかはまるでストーカーのように庭からそっと様子を見に来ることもあって、


でもそんな風に扱われて私はこの先一体どうなってしまうのだろうと不安におちいった。



総長としての私はもしかしたらもう必要とされないのかもしれない。



そうなったら私は皆にとって用済みなんじゃないだろうか。



私は総長として皆の役に立っているのだろうか・・・


ちゃんと上手く皆の上に立てているのだろうか・・・



考えれば考えるほど不安になった。





きっと凌久の元に行けばそんな不安は直ぐに消し飛ぶだろう。



凌久なら毎日のように「守ってやる」の言葉を紡いでくれると思う。





でもどんなに甘い言葉を囁かれても、


私はそんな言葉が欲しい訳じゃないんだ。







私は只、自分に自信が欲しいだけ。

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