第83話

「・・・・つまり、蘭には2つ付いてるんだよ。」



「2ちゅ?」



・・・右胸と、左胸?



「女にしかないものが上半身に、男にしかないものが下半身にあるってこと。」



「・・・・・」



ちょっと頭の中を整理してみた。


女にあるもの、男にあるもの。


上半身、下半身。


あ、ベランダからスズメの鳴き声が聞こえる。チュンチュン。



うん、つまり・・・・


蘭は女なの?男なの??




「つまりフタナリってやつ。」



私の真上から無遠慮なハスキーボイスが聞こえた。





「・・・・まあヴァンパイアだからね、普通とは違うとこもあるよね・・・。」



斗和がテーブルにお皿を置くと静かに蘭の頭をそっと撫でた。


その撫でている斗和の顔はやっぱり恋人をでるような優しい顔だ。



斗和の言う通り、ヴァンパイアは普通の人間とは違う部分があったりする。


身体能力が高いという点だけでなく、例えば髪の毛の色が違ったり目の色が違ったり。


でも蘭のような"両性具フタナリ"のヴァンパイアがいるというのは初めて知った。



これって蘭にとって相当辛いことかもしれない。

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