第76話

スーツのジャケットを綺麗に脱ぎながら洸太郎が続けた。



「まあね、君の血よりも

"bad jorkerバッドジョーカー "に喧嘩を売りたいんだよ。」



「・・・・え?"bad "??」



「・・・?・・・君らのチーム名でしょ??」



洸太郎が冷静に私を上から嘲笑ちょうしょうする。


ハン君がタイムラグで鼻で笑うのが分かった。



おいこら誰だ。


そんなお笑いプロレス団体に所属してそうな名前付けた奴!


100%悪役ネームじゃないか!




「下っ端呼ぶのめんどくせぇ。俺はトップ5人に喧嘩売れりゃいんだよ。」



凌久の大きな両手に頬を挟まれた。


全然喧嘩を売ろうとしている人の動作に思えない。



「じゃあ5対5のデスマッチだね。」



「え・・・・デしゅマッチ?!

な、何のために??」



不良が不良に喧嘩を売る理由なんてあってないようなものなのに、どうしても理由を探ってしまう理系女りけじょの悲しいさが



「・・・・何だろうね。

ボクが君に惚れたから。かな。」



ハン君がずいっと私に顔を近付ける。


凌久が人差し指でハン君の額を押し返した。



「近い。」



ハン君の言葉に思わず顔が熱くなる。



「え?!

ほ、惚れたって・・・///

話があるのは凌久じゃないんでしゅか??」



「うん。とりあえず伊東さんを呼んで来いって言ったのは凌久だよ。

でも、何て言うか、それぞれ喧嘩を売りたい理由は違うんだよ。」

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