第47話

キッチンに行くと昨日3人で食べた鍋とお皿がちゃんと洗って置いてあった。


凄い・・・


私なら絶対次の日にしか洗わないのに・・・。



居間の座布団に座り、テレビをつけ鮭おにぎりを頬張った。


きっと四竃のバイト先の廃棄分のおにぎりだろう。


賞味期限が昨日の夜で切れている。



部屋に1人きりだが昨日の朝ほどは寂しくない。


昨日色んな感情を出しすぎてスッキリしたからかもしれない。


それなのに何で私は20歳の身体に戻らないのか・・・・





テレビボードに乗っている小さなデジタル時計がちょうど9時になったところだ。



宗平はもしかして今日も朝来てたのだろうか。


そういえば昨日からスマホを充電しっぱなしだ。


宗平からラインが来てるかもしれない。



手についたおにぎりの米つぶを口で取り、すでに充電満タンのスマホの電源をつける。


電源がつく間、またついテレビに目がいき、昨日と同じ歌を口ずさんだ。




ブーというバイブの振動を手に感じると再びスマホの画面に目を落とす。



そして、目を疑った。




着信履歴




247件。




・・・え?!



ゾッとするよりも私にこんなに電話を掛けてくる人物がいることに驚いた。


というよりも私は相当心身を病んでるのかもしれない、


ちょっと嬉しいとさえ思ってしまった。

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