3.
第46話
次の日の朝、目を覚ますといつの間にか私は布団に入っていた。
フリフリヒラヒラな服もいつの間にか大きなTシャツに着替えさせられている。
身体はまだ小さいまま。
え、ちょっと待って。誰だ着替えさせた奴。
襖を開け居間の机を見るとメモ用紙とコンビニのおにぎりが2つ置かれていた。
メモ用紙には「朝ごはんにたべて!」と四竃の字で一言だけ書かれている。
夜中に帰って来て朝すぐに出て行ったようだ。
四竃も大変だ。昼間はバイト三昧、夜は定時制高校。
四竃にはまあそれなりに壮絶な過去がある。
四竃の父親は元暴力団の組長だった。
でも4年前、その暴力団は警察によって鎮圧され、息子である四竃は施設に保護された。
薬漬けの母親は今は刑務所の更正施設にいる。
父親は残念ながら獄中自殺をした。
四竃は生活費を稼ぐためにアルバイトをしている。
定時制の高校に通っているのは瞳子さんの薦めだ。
高校さえ出ておけば定職に就けるチャンスが多いからと。
それなのに私は瞳子さんのお金でやりくりしている。
なんとも情けない話だ。
しかも大学の費用まで出して貰っている。
私も早く自立出来るようにならないといけないのに、私はぶかぶかのTシャツ一枚でのんびり起きて何をしているんだか。
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