第41話

テレビに気を取られていると里桜がまたもや顔も見ずに聞いてきた。



「・・・まさかと思うが、アレじゃないよな。」


「ん?アレ??」


「・・・・ヴァンパイア。」


「・・・・・」



私は教育番組の人形劇に気を取られているふりをした。


・・・・なんで分かったんだろう。


でも私がわざと無視したのは完全にバレバレだったらしい。


さっきまで顔を見なかった里桜が私の顔を覗き込んで来た。



「・・・・おい、聞いてんのか??」


「・・・・・あい?」


「なあヴァンパイアなのかってそいつ。」


「・・・・ヴァンパイアだったらなんだっていうんでしゅか?」



今度は三潴が箸を止め私の方を見た。


只でさえ数少ないヴァンパイアがまさか私の大学にもいるなんて驚きなのだろう。


私だって驚いた。



「お前そいつに騙されてるって。」


「騙されてるも何もただの友達でしゅ。」


「だからお前の血の匂いに吸い寄せられただけのヴァンパイアだっつってんだよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る