第42話
私の血の匂いはヴァンパイアにとって大変美味しそうな匂いらしい。
例え数メートル離れていたとしても気付くくらいに。
それでもハン君がヴァンパイアで、私が「狂喜の血」を持っているおかげで友達になれたのだから私は自分の血に感謝しているくらいだ。
里桜の口調が徐々に強くなったことに少し怖さを感じたけど、この件に関しては負けたくない。
ハン君はヴァンパイアだろうが何だろうが私にとってはもう大事な友達だ。
「・・・・別にハン君が私の血に吸い寄せられただけだとしてもいいんじゃないでしゅか??友達なんだから欲しければ飲ませてあげましゅよ。」
「・・・・そうやってお前が簡単に血をやればやるほどどんどん噂が広まっていくんだぞ??頼めば血をくれる奴だって!!
そしたらお前は益々ヴァンパイアに狙われる!!」
なんて口うるさい"おかん"。
・・・・自分だってヴァンパイアの癖に。
じゃあ何?
つまり里桜だって私の血に吸い寄せられたってことなの??
普段の私なら年上らしく、総長らしく、「はいはい」と適当にあしらって置くだろう。
でも今の私は何でか自分の友達を否定されることに黙っていられなかった。
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