第26話
皆がわらわらと三潴に抱っこされたままの私の周りに集まる。
血の出た膝を見せても、さっきまで血を求めていたとは思えないくらいあっさりと絆創膏を貼ってくれた。
嬉しかった。
でも、
いつもは先頭切って皆よりも2秒も早く走って行ってしまう私なんか可愛くも何ともないのだろう。
1人で20人の男を相手にしても息一つ切らさない私なんか恋愛対象としてはみれないのだろう。
だって、私は見てしまったから。
4人が合コンしている姿を。
え?
ってなるよね。
あれだけ散々人の血を飲んでおきながら、別の女共と楽しそうに合コンしている姿なんてちょっと信じられない。
しかも合コンを目撃したのは1回だけの話じゃない。
少なくとも自分の目で2回は見たし、4校の他の生徒が話してるのも何度か聞いたことがある。
宗平は女嫌いで四竃は熟女好きなはずなのに。
まあ三潴はいいとして、興味無さげな里桜まで何故??ってなった。
ショックだし、ちょっと疑心暗鬼にもなる。
別に皆と恋人でもないんだから合コンすることを逐一報告しろとは言わないけれど、自分の知らないところでそういうことされるのは悲しい。
私は何のための存在なんだろう?
ただの血を与えるだけの存在??
そう、だから私は皆に血を与えてしまうのだ。
私から離れて行かないように。
私が突然小さくなってしまった理由はきっとここにあるんじゃないかと思う。
自分が除け者にされているような、
皆が離れて行ってしまうような不安が拭えない限り、
私はきっとこのままこの姿でいることになるのだと思う。
せめて私が男だったらと何度も願ったはずなのに
実際は小さな小さな子供になってしまった。
私はなんて身勝手な"構ってちゃん"なんだろう。
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