第25話
る、留守番?!
総長である私が、こんなフリフリビラビラな服で留守番?!!
嫌だ、これじゃ本当にただのダッチワ・・・じゃなく人形になってしまう!!!!
私は再び皆の元へ急ごうと玄関のドアを開けた。
アパートの敷地内から出て左右を見る。
でもすでに皆の影はない。
小さくなってもせめて強いままでいたかったのに・・・
そうすれば皆と一緒に行動できるのに!
右へ行っては角を覗き、左に行ってはまた戻り、
いやだ、私だけ置いてけぼりなんて。
焦る気持ちと履きなれない靴につまずき、
私はコンクリートの地面に転んだ。
「・・・痛い・・・」
膝を擦りむき血が出る。
そんな自分の無様な姿に涙が溢れた。
「うわあ"ぁぁーーーん・・・」
私はこんなに泣き虫だったかな。
でも仕方が無い。
今の私は小さな子供なのだから。
狭い道の真ん中で空に向かって声を上げた。
「あ"ぁぁ"ぁーーん・・・」
フリフリな服のエプロンに涙がシミのように沢山ついて、私はエプロンの裾をギュッと掴んだ。
「お嬢さん後ろから失礼。」
「え"?」
ふわっと身体が宙に浮き、私は後ろから抱き上げられた。
「織果ちゃんの泣き顔、初めて見ちゃった~♥️」
赤目の男が私にVサインを見せてニンマリ微笑んだ。
「ひっく・・・」
いつもはセクハラ大魔王でも、血管の浮き出る大きな三潴の手に抱かれ、私は心の底から安心した。
そして抱かれたその後ろを見ると皆がこっちに向かって走って来る。
「オルカ!転んだのか?!見せてみろ!!」
「コンビニで絆創膏買ってくか。」
「絆創膏なら俺持ってるっすよ!パートのおばちゃんから貰ったやつが。」
四竃がエプロンのポケットから絆創膏を一枚取り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます