第24話

四竃が私の肩を掴み、首元をくんくんと匂いを嗅いできた。



「っちょっ///!!」



私はその鼻息にビクッと身体を強張こわばらせる。



「・・・・・うん、狂血きょうけつの匂いはするね。

不味くはなさそうっす。」



そう言って凄い冷めた目で四竃が私の胸元に目をやるのが分かった。



「不味くなさそうなら問題ない!


でもいいか?ちびっ子オルカは当然血の量も少ないんだ!飲もうなんて考えるなよ?」



宗平が皆に釘を刺すも誰も宗平の方を見ていない。



四竃を払い退けた宗平が私を優しく抱き締めに来た。


でも優しく耳元で囁いたのは悪魔の声だった。



『この服も下着も誰が買ったか分かるよね?


いつもみたいに痛くはしないからさ。ね?』



背中に悪寒が走り、私は恐怖で涙も出なかった。



私は震える手で朝貸して貰った藍色のハンカチを宗平に差し出した。



「これ・・・あ、ありがとうごじゃいました。。」



宗平がにっこりした顔で受け取ると、ハンカチに自分の鼻を押し当てすーっと吸い込むように匂いを嗅いだ。



「ああ、オルカの匂いがする。」



コワッッッ!!!!


教会に行って悪魔払いして貰わないと!!




「とにかく早く行こう!100人もいるとなると日が暮れる!」


「配分は俺10人、二越10人、四竃10人、三潴50人だな。」


「ねえ?!それ合計80だよ?!高校生にもなって足し算できないとかやめて?!」



里桜は頭がちょっとアレなのだ。



皆がぞろぞろと玄関から出て行き私も後ろから慌ててついて行く。


さっき宗平から貰った靴を履き、玄関のドアを閉めた。


するとまた玄関のドアが開けられ、私は猫のように上から服を掴まれ家の中へと戻された。



「お前は今日は留守番だ。」



里桜が一言そう言うとパタリとドアが閉められた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る