第15話

電子レンジにパスタを入れると、「このボタンを押してみ?」と私に"あたため"のボタンを押すよう勧めた。


別に押したかったわけじゃないが、まあそこまで言うなら押してやろうじゃないの。


ピッ!


と赤い"あたため"ボタンを押すと、里桜が私を見て笑い掛けた。


ぽっと胸が熱くなる。


私は里桜の優しい笑顔が大好きだ。


いや、今のは違う。語弊を招く言い方だった。


なんというか母の温かさを感じる笑みなのだ。


私も同じように返せばいいのに、抱っこされたままのせいか恥ずかしくて思わずそっぽを向いた。




でも里桜は私が寂しくならないようにしてくれているのか、ずっと抱っこをしてくれている。


里桜の胸元のシャツを掴みすぎてちょっとシワになっていた。

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