第14話
「トーマくん!!」
「・・・え"?!」
黄色い花の下からカマドウマ(別名:便所コオロギ)がにゅっと顔を出した。
彼の名前はカマドウマのトウマ君、私のペットだ。
そのグロテスクな出で立ちと違い、性格は大人しく聞き分けのよいカマドウマだった。
でも里桜は顔を思い切り歪ませ、今にも吐きそうな顔をしている。
「・・・ないわ~・・・。。」
そう言って立ち上がると、私を抱えたままそそくさと家の中へと入った。
里桜がガラスのドアを閉めると、先程置いたレジ袋を持ちキッチンへと向かう。
私を片手で抱っこしながら、里桜がレジ袋の中身を見せてきた。
「もう昼になるからパスタ買って来たんだよ、一緒に食おうな?」
「な?」と私に問いかけてくる声はいつもより甘い。
中にはミートパスタが入っている。
さすがは里桜、普段から私にゲームで負け
奢っているだけあって私の好みをよく分かっている。
欲を言えば牛肉オンリー使用のミートが良かったが私はそこまで図々しい子供ではない。
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