第13話:再起動しないし・・・。
「それじゃ〜ね、未来ちゃん・・・私、明日の朝まで再起動しないからね」
「おやすみ」
「お〜、おやすみ・・・その言葉が欲しかったんだよ」
よかった・・・よくやく静寂が訪れた・・・これでゆっくり眠れるわ。
って、安心して眠ったんだけど・・・だけど・・・
これが次の朝になってもセシルは機能を停止したまま再起動しなかった。
絶対、朝は賑やかに起こされると思ってたもに・・・めちゃ静か。
でも体を触ったら体温はちゃんとある。
だからぶっ壊れたって訳じゃないんだろう?それにしてもメンテって
こんなに時間かかるもんか?
このままセシルを放っておくわけにもいかないと思った俺はとりあえず彼女の
様子を見るため会社を休んだ。
わがままばかり言って俺を困らせる彼女でもこうなると気になってしょうがない。
セシルが再起動しないことを相談する人もいないし・・・で、とりあえず、
パセリさんにLINEを送った。
《セシルが一時的に機能停止したまま起きないんだ》
《知ってます・・・夕べのやりとり全部見てましたから》
《やっぱり見られてたんだ》
《わ〜じゃ〜セシルの誘いに乗ってエッチなんかしなくてよかったんだ》
《そういう時は遠慮します》
《でも未来くん大変だね》
《まあね、あんなでもまだ可愛げがあるから、いいんだけどね》
《じゃなきゃ、ウザいだけだって》
《セシルちゃんは、あの子なりに一生懸命なんだよ》
《まあ、それは分かるけど・・・》
《それにしてもセシル、ぶっ壊れちゃったのかな?》
《私、ガイノイドさんじゃないから分かりません》
そりゃそうだよな・・・パセリさんに聞いても分かるわけがない・・・。
ただ、俺はこの状況を誰かに知っておいてほしかったのかも。
でも、夕べから俺たちのやりとり見てたんならLINE送った意味なかったかな。
どうしたらいいか分からなかった俺はセシルをもらってきたディスカウント
ショップに電話してみた。
そしたら
「そんなの知らないね」
「中古だから保障ないって言っただろ?」
「廃棄しようと思ってたくらいだから・・・もうすでにイかれたのかもな」
「えっ?・・・修理できないかって?、そんなことうちに言われてもね・・・・
あの子を作ったメーカーに持ってきゃいいだろ?」
「それとも闇業社、紹介してやろうか?」
「アホか!!闇業社になんかにセシルを持って行ったら違う物体になって
帰ってくるわ・・・もういいよ」
ばあさんちでもどうにもならないか。
もしかしてセシルはメンテに時間かかってるだけで、そのうち目覚めるかも
しれない。
なもんで、俺はその日1日様子を見ることにした。
なんか自分が寝たいためにセシルに無理強いして、こんなことになって
ちょっと後ろめたい気持ちになるな・・・自己嫌悪に陥る・・・。
ごめんよセシル。
結局その夜が来てもセシルは起動しなかった。
メカに詳しくない俺は打つ手なし、このままセシルが起きなかったらどうしよう。
しかたないから俺はセイルを気遣いながら彼女の横で寝た。
とぅ〜び〜こんて乳。
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