第12話:クチから超音波出す女。
「そんな悲しい話聞くとセシルを引き取ってよかったって思うよ、俺」
「じゃ〜エッチして?・・・私を抱いて?」
「ちょっと待てって・・・」
「なに?セシル・・・前のオーナーだった干しぶどうみたいなじいさんって、
セシルにとって何人目のオーナーだったんだ?」
「おじいちゃんが、はじめてのオーナーだよ」
「そうなんだ・・・」
「ってことは?、じいさんと一度もなかったって言ったよな・・・つまり?」
「バージンか?、セシル?」
「バージン?・・・・」
「それも検索すりゃいいだろ?」
「それにしても性教育までちゃんと脳みそに入ってるなんて恐れ入ったわ」
「そういう知識もテクニックも、ちゃんと知ってるガイノイドのほうがよく
売れるんだって・・・世の中の男はみんなスケベだから・・・」
「なるほど・・・スケベってのは当たってるな・・・男はみんなスケベか」
「つうか、もう夜中の2時じゃないかよ」
「エッチはまたこの次」
「話も明日・・・俺はもう寝る・・・明日、仕事だし・・・」
「え〜構って〜・・・みらい〜・・・私の相手して」
「おまえの相手なんかしてらら俺は寝不足になっちゃうの・・・」
「眠らないおまえとは違うんだよ、人間はデリケートにできてるんだからな」
「つまんないの・・・泣いて・・・」
「ストップ・・・言っとくぞ、真夜中に大声で泣くなよ」
「泣いてやる」
「つうか、今まで一度もセシルが泣いたの聞いたことないよな?」
「うん・・・たぶん泣いたらこのマンション壊れちゃうと思うけど・・・」
「私、泣くとギャオスみたいにクチから超音波出すから・・・」
「なんだそれ?・・・それじゃ余計だよ・・・絶対泣くなよ?」
「マンション壊れたら俺もおまえも住むところ無くなるからな」
「大丈夫だよ・・・なわけないじゃん・・・超音波なんて冗談に決まってるでしょ」
「そう言う人を脅すような冗談は言うなよ」
「ってか俺をからかって面白いか?・・なんだよ、やめろよそう言うの・・・」
「もういいわ・・・おまえを相手にしてたら徹夜になりそうだ・・・」
「頼むから俺を寝かせろ」
「それが今夜のおまえの役目・・・分かった?」
「こんなことやってる合ってる間に時間がどんどん過ぎていくだろうが?」
「そうだ・・・あのさ、セシル一時的に機能停止とかってできないのか?」
「滅多にやらないけどメンテするためのユーティリティー起動する時一時的に
機能停止するけど・・・」
「おお、いいじゃん、俺が寝てる間にそれやれよ」
「いいけど・・・」
「未来ちゃんの横に寝てもいい?」
「え・・・うん、あ、いいよ・・・」
そう言うとセシルは俺のシーツに潜り込んできて横に寝た。
「えへへ・・・」
「えへへじゃなくて・・・俺の顔見て笑うなって・・・ちゃんと上見て集中しろよ」
「それじゃ〜ね、未来ちゃん・・・私、明日の朝まで再起動しないからね」
「おやすみ」
「お〜、おやすみ・・・その言葉が欲しかったんだよ」
つづく。
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