台湾楽旅日和

食べ物のはなし

　台湾の食べ物は美味しい。驚くほど日本人の口に合うのだ。

　海外メシは味に深みが無い、デザートが甘すぎる、なんてことがよくある。台湾で驚いたのはデザートが甘すぎないこと。

　豆花という豆腐にシロップや豆をかけたデザートがある。見た目からしてこれ全部シロップだとどんだけ甘いんだ！？と驚くのだが、食べてみると上品な甘さに驚く。

　代表的な名物かき氷もコンデンスミルクやフルーツ味のソースがしっかりかかっているのに甘すぎない。これはすごい。ちなみにおすすめは生マンゴーのある時期。マンゴーかき氷はこれでもかというほど大きなカットマンゴーが載っている。そして新鮮で甘い。時期には台湾が恋しくなるほどだ。

　台湾といえば夜市。夜市では珍しい食べ物をいろいろ売っている。露店を見て歩くだけでもわくわくして楽しい。屋台が多いが店頭にテーブルを出している店もあり、そこで注文したものを座って落ち着いて食べることもできる。

　たくさんある店からどんな店がいいのか迷うとき。私は食べたいものの次に人が多そうな店を条件に選ぶ。ひっきりなしにテイクアウト業者がやってくる水餃子の店を選んだときは、安くて美味しくて大正解だった。

　屋台にはフレッシュフルーツを使ったジュースもよく売っている。きんかんとレモンのドリンクなんてのもある。日本には馴染みのない珍しいドリンクもいろいろあるので冒険してみても楽しいかも。

　台湾といえば小籠包。鼎泰豐（ディンタイフォン）という有名店がある。ここで食べる小籠包は日本人のイメージする薄皮に濃厚な肉汁たっぷり、間違い無しの逸品。

　街中の食堂でも小籠包を作っている店はよく見かけるので、食べ比べてみても良い。何せ食堂の方が安い。ただ安い分、皮が分厚くて肉汁はさほどなく、ただのシュウマイのような店もあった。腹には溜まるけど。

　炒め麺や炒飯はどんな出汁を使っているのかというくらい美味しい。一人だと炒飯を注文したら他のものがあまり食べられなくなるので悩みどころだが、それでも一度は食べたくなる。

　この間はものは試しと人生初の臭豆腐に挑戦した。嗅いだことのある方ならこれを食べるのか、というくらい強烈な匂いのあれ。屋台でその店があると遠くからでもわかるあの匂い。

　食べてみると、臭みはさほど感じず意外と美味しかった。ただ、普通に匂わない美味しい豆腐を食べたいと思った。私は納豆が大好きだが、臭豆腐はいただけなかった。

　余談だが、一時期流行った台湾カステラなんてものがあるが、台湾と名付けておけば何となく品が良くて美味しい印象がある。台湾に行ってみてイメージ戦略の意味が理解できた。