第48話 今後の事
俺は結衣を家に送ってきてから帰ってきて自分の部屋で休んでいた。
「ふぅー、まさか本当にこんなことになるとはな」
以前俺は三人に好きと打ち明けようかとも考えていたのだが、それ以前に三人がそんな事を思っているとはな……
結衣にはまだ軽くしか聞いていなかったのでどんな感じかはわからないけど流石にびっくりした。
「それにしても結衣って凄いな……」
学校で付き合ってから家まで送るまで何回キスされたか分からない。
それも結衣の方からしてきた回数の方が圧倒的に多いしな。
因みに下校中の外でもしてきたから少し驚いた。
別に見られたくないわけではないが結衣の家から高堂の家まで結構近いわけでそこらへんは心配だった。
まぁ、俺としてはそれ位想っていてくれてるんだって分かったから嬉しかったけどね。
「でも今後どうしようかな……」
美月と明香里が俺の事を好きな事は何となく分かっていたけど結衣の言葉を聞いて確実になった。
結衣も俺が二人とも付き合う事を望んでいたっぽかったしな。
「やっぱり俺の方から告白するべきだよな」
結果的に結衣には告白された形になってしまったけどどうせなら二人には俺の方から告白したいな。
正直考えないといけない事は多い。
高校生だけど俺はその先もずっと一緒に居たいと思っているしな。
結婚について高校生で考えるのは早いかも知れないけどそのレベルで三人の事が好きだ。
でもやっぱり一夫多妻制じゃないこと。
俺の両親、そして彼女たちの両親の説得。
それからお金の事だ。
俺の家がそこそこお金持ちなのはそうだがそれに頼る事はしたくないからな……
「その辺も考えていかないとな」
俺がそんな事を考えていたらスマホの電話が鳴った。
『今大丈夫?慶君♪』
電話に出ると結衣が嬉しそうに名前を呼んできた。
『大丈夫だぞ。どうした結衣』
『慶君と話したかったから電話しちゃった♪』
『俺も結衣の声が聞けてうれしいよ』
『えへへ、嬉しいな♪』
本当に可愛いな結衣は。
俺がそんな事を思っていたら結衣が続けて話した。
『あ!そうだ!慶君!さっきは慶君と付き合えて嬉しすぎて話せなかったけど美月と明香里ちゃんの事を軽く話していい?』
『勿論大丈夫だぞ。俺も知りたかったからな』
『えっとね、さっき私が二人に慶君と付き合う事になった事と、慶君は四人で付き合う事を拒否しなかったって事を話したんだよね』
『うん……』
『それでね。今後の事を考えると話さないといけない事がいっぱいあると思うの。家族の事とかね……でも付き合うまではその事は考えないで二人に向き合って欲しいの……当然私にもね♪』
『分かった。それは大丈夫だぞ』
『うん!それでねさっき三人で話した事をこれだけは言っておくね!他の二人の深い気持ちとかは私から言うべき事じゃないからね♪』
『うん』
さっき三人で話した事……俺はなんだろうと少しドキドキしながら聞いていた。
『美月と明香里ちゃんは自分のペースで進めたいらしいから慶君には告白しないで欲しいの』
『え?』
『ていうのもね。私たちって元々私たちの方から慶君に告白しようって話し合いになっていたんだよね。それに何より美月と明香里ちゃんも私から告白したって事は知ってるからだった自分たちもって思ったらしいの……明香里ちゃんとかはちょっと時間がかかっちゃうかも知れないけど待ってあげて欲しいな。明香里ちゃんも美月も頑張るって言ってたしね。』
そういう事か……俺は自分から告白したい気持ちもあったがそれを聞いちゃうとな……
いや……でもそう考えてみると好きな子に告白されるってのも凄く良いかもしれない。
結衣の時もそうだったけど告白されるって凄くドキドキするんだよな。
男らしさを考えると告白したいって思ってたけど、それはそれで良いな。
それに俺が告白しやすい雰囲気を作ってあげれば良いだけだ。
三人と付き合うって覚悟を決めたんだからもう何も悩まないで三人と関われるしな。
『分かったよ。二人がそう思ってるんだったら俺は美月と明香里を待つことにするよ』
と言っても明香里に関してはちょっと心配ではあるけどな。
まぁ、俺もそうだが結衣もフォローするだろうし大丈夫だろう。
『うん♪ありがとうね』
『こちらこそありがとう』
『はぁ、でも慶君と最初に会った時はこんな事になるとは思ってなかったな』
『それは俺もそうだよ。あの時の俺に現状を教えたら間違いなく驚くよ』
本当にこんな事になるとはな……
ゲームの中に転生して戸惑う事が凄く多かったんだけど今は確実に言えるな……転生してよかったと。
『でも今思ったら私って初対面の頃から慶君の事を気に入ってたんだよね』
『そうなのか?』
それは初耳だな……
『うん!なんか分からないけど慶君に対しては素直でいられたんだよね。不思議だよね!ははは!前も言ったかも知れないけど慶君って話しやすかったしね』
『そっか。それは嬉しいな……でもそれを言ったら俺も最初の友達が結衣でよかったって思ってるぞ』
『ふふふ、ありがとう。嬉しいよ♪』
これは本当に思っていることだ。
もし仮に俺が違う人と仲良くなっていたら結衣と関わる事も無かった、もしくは少なくなっていたかも知れないしな。
それにそうなったとしたら必然的に美月や明香里ともな……
何より最初の友達が結衣じゃなかったらここまで楽しい日々にはならなかったと思うしな。
――その後俺たちは恋人としての会話を長時間楽しんでいた。
『これからもよろしくな結衣……友達としてじゃなくて恋人としてな』
『うん♪こちらこそよろしくお願いします!美月と明香里ちゃんの事もよろしくね♪私からもフォローはするつもりだからさ』
『あぁ、分かった』
『それじゃあお休み慶君!また明日学校でね!』
『お休み結衣』
そんな感じで俺と結衣は通話を終えた。
「ふぅー、もうこんな時間か……」
俺はベッドに倒れてそうつぶやいた。
結衣と話していたらあっという間に時間が過ぎて行ったみたいだ。
「っと。そういえば……」
結衣には今は気にしないで良いと言われたけどお金の事に関してはそんな事を言っている場合じゃないと思う。
今の俺にできる事……小説でも書いてみるか……
前世の俺は一人の時間も多かったのでよく小説を書いていたんだよな。
お金に困っているわけでもないしあくまで暇つぶしの一環だったので誰にも見せてはいなかったけどな。
取り敢えず今日は遅いし明日にでも前世で書いたものをそのまま小説サイトにでも投稿してみようか……稼げるかは分からないが何もしないよりはましだよな。
「それにしても俺がこんなに幸せで良いのだろうか……」
今の俺は凄く幸せだ。
優しい両親もいるし結衣いる。それに美月と明香里も……
前世も幸せな気分になった事はもちろんあるがそれとは比べ物にならないレベルだ。
結衣も美月も明香里も三人とも最高に可愛くて良い子だもんな……
「よし!俺は精一杯三人を幸せなにしよう!!!」
ってまだ美月と明香里とは付き合ってすらいないんだけどな。
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