第36話 美月と明香里の昼食
★宮本美月(side)
「結局あの綺麗な女性は誰だったんでしょうね……」
私は今明香里ちゃんとお昼ご飯を食べている。
そして結衣ちゃんは今慶と一緒にご飯を食べている。
そんな結衣ちゃんは私達も一緒に来ても良いって言ってくれたけど一応慶に確認もしていないので今日は止めていおいた。
「まぁ、今結衣ちゃんが聞いてくれてるだろうから直ぐに分かるよ」
「そうですね……」
「それより私達が慶と学校で仲良くして大丈夫かな?」
「それって兄さんの事でですよね?」
「そうだよ」
哉太はそうでも無いが空君は明らかに慶を敵視している。
理由を聞ける感じでも無いしなんでかは分からないがそれは間違いない。
私達からしたら皆が仲良くなれれば一番嬉しいのだが、恐らくその未来は見込めない気がする。
「私思うんですよね……私達が兄さんを気にして神道先輩と仲良く出来ないとしても結衣さんだけは出来るんですよ?それってずるいですよ……」
「えっ、ま、まぁそうだね」
明香里ちゃんは頬っぺたをプクッと膨らませ不服そうにそう言った。
こんな明香里ちゃんの表情は初めて見たけど……凄く可愛い……
「まぁ、あからさまにする気はありませんが兄さんも時間が経てば神道先輩へのヘイトも弱くなるんじゃないですか?だから兄さんの目を多少気にしつつも神道先輩と一緒に居るようにしましょうよ」
「本当に弱くなるかな?」
「分かりませんけどね。ですが私達が決めた事を達成するにはそうでもしないと難しくないですか?」
そう言われたらそれは確かにそうかもしれない。
哉太は大丈夫だと思うから問題ないと思う。
勿論私は空君とも別に友達を辞めたいなんて思っていない訳だが、それよりも慶との関係を進めるのが何においても一番大切だ。
私……いや私達の理想は空とも友達関係を維持しつつも慶の恋人になる事だがそこの優先順位は明らかだ。
「それもそうかもね。それにいざとなれば哉太に相談すればいいしね」
「そうですね」
私達がそんな会話をしていたら同時にスマホが鳴った。
私達は二人でスマホを確認した。
「グループLIENの招待ですね」
「そうだね私と明香里ちゃんと結衣ちゃんと慶のグループみたいだね」
結衣ちゃんから四人だけのグループに招待されたみたいだ。
結衣ちゃんは四人で付き合おうと一番張り切っていたのでその一歩として動いてくれているのだろう。
「とりあえず入ろっか」
「そうですね」
そうして私達は招待されたグループLIENに入った。
『二人とも入ったね!!!』
『よろしくな』
私達が入ると同時に二人がそう送って来た。
『よろしくお願いします』
『よろしくね』
『早速だけど二人とも気になってる事あったよね!その答えが出たよ!今から慶君に送って貰うね♪』
私と明香里ちゃんはそれを見て目を見合わせた。
「それってあの女性の事だよね?」
「多分そうだと思います」
「でも結衣ちゃんのテンション感的に誤解だったのかな?」
「ですよね、私もそう思います」
私はそう思いつつもドキドキしながら続きを待った。
――それから少しして慶から送られてきたのは慶と慶のお父さんらしき人物とあの女性の写真だった。
「この女性ですね」
「そうだね……それにしても本当に綺麗な女性だね」
「はい……」
私達がそんな話をしていたら続けて連絡が来た。
『これね……実は慶君のお父さんとお母さんなんだって!!!!!』
「「えっ!!??」」
私と明香里ちゃんは大きな声を出しそうになったが教室だったので何とか抑えた。
「あり得るのそんな事!?」
「私も信じられません……」
「そうだよね?どう見ても20歳前半位だしね……」
『本当なの?』
『まぁ、そうなるよな。でも本当だぞ?』
『二人とも信じられないかも知れないけど本当らしいよ。一時的に出張から帰って来てるんだって!』
『そ、そうなんですね。分かりました』
『まぁ、慶が嘘つくとも思って無いから……そうなんだね』
とは言った物のやっぱり凄くびっくりしている。
『それとね、今日はもう時間がないから無理だけど今度から二人も一緒に食べて良いって』
『本当ですか……ありがとうございます』
『それじゃあ次からは私達もお邪魔するね』
『あぁ、楽しみにしてるぞ』
『私もです』
『今後ともよろしくね!』
グループLIENでの会話はここで終わった。
「「はぁー」」
私と明香里ちゃんは安心感から胸をなでおろした。
「良かったね……」
「そうですね……本当に良かったです」
「それにしても慶のお母さんって本当に美人だよね。凄く若く見えるしね」
「本当ですね。お姉さんと言われても信じられますよね」
本当にそうだ、それに女子の私でも惚れちゃいそうな位美人だし……
結衣ちゃんと明香里ちゃん以外にあんなに綺麗な人は初めて見たよ。
「もし私達が慶と付き合えたら慶のお母さんとお父さんとも話さないと何だよね」
「それはそうですね……」
「何かそう思うと今から緊張してきたよ……」
「流石に気が早すぎますよ……でもその気持ちはちょっと分かります……」
「そうだよね……」
仮に私達が付き合えても慶の両親が反対したらどうしようもない……
まぁ、今はそんな事を考える段階でもないけどね。
「それもそうですが私達の両親の説得もありますよね……」
「そうだね。でも私のお母さんは慶の事凄く気に入ってるから大丈夫な気がするな」
「それだったら私のお母さんもですね」
「そう言えば明香里ちゃんのお母さんと慶君は会ったんだったね」
「はい。なんならその日からちょくちょく神道先輩との関係を聞いて来る位には気に入ってるみたいですね」
「それは相当気に入ってそうだね」
私のお母さんでもそこまででは無いので明香里ちゃんのお母さんはそうとう気に入ってそうだな。
そう言えば今更だけどお母さんに男子の話をするのは哉太意外だと初めてだったんだよね。
空君の事は言ってなかったしな。
「正直私の家族は兄さん以外は三人彼女がいる神道先輩でも良いって言うと思うんですよね」
「そうなの?」
「はい。お母さんは先程言った通りだしお父さんは私の事は完全に信用しているみたいなので基本私が決めた事は応援するってスタイルなんですよね。それに私も本気で説得しますから尚更です」
そうなんだ……でもやっぱり空君がややこしいよね。
「じゃあ、やっぱり空君が問題になりそうだね……」
「そうなんですよね……私の場合は家族ですから。まぁ、兄さんの許可は別にいりませんからお父さんとお母さんに協力してもらいますよ」
「そうだねまぁ、それは私達が慶と恋人になってから考えよっか」
「それもそうですね……」
とりあえずの問題も解決出来たし私達は頑張らないとね。
「これから頑張ろうね明香里ちゃん!」
「はい!頑張りましょう」
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