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 午後は体育の時間だった。

 本当はサッカーをする予定だったのだけど、大雨が降っているので、今日の体育は体育館(木造のオンボロな体育館だ。ざーという大雨の音がよく聞こえた)でのバスケットボールに変わった。

 そうして深緑色のジャージに着替えをした道草先生の指導で、久美子たち三人は運動服に着替えをして、三人でバスケットボールをしていた。頭の良さではさゆりちゃんがだんとつだけど(さゆりちゃんは県でも、かなり優秀な成績を誇っている小学生らしい)運動(スポーツ)では信くんがだんとつだった。

 それは信くんが男の子だから、ということもあるのかもしれないけれど、性別のことを別にしても、信くんは飛びっきりに運動神経がよかった。(信くんも県でも、優秀な(運動の)成績を出している小学生だった)

 そんな二人に比べて私、三島久美子は普通の女の子だった。(特技といったら、人よりもちょっとだけ想像力が豊かなくらいだった。それは私の自分勝手な妄想ではなくて、一応、美術などでは、それなりに道草先生や県の教育委員会というところから、それなりの評価をもらっていた)

 そうして三十分くらいしたところで、道草先生が一人で体育館を出て行った。それから十分くらいして先生は体育館に戻ってくると、「みんな、こっちに集合して」と手をあげて久美子たち三人を呼んだ。

「はい」

 と返事をして久美子たち三人は道草先生のところにまで移動をした。

 すると先生は「今、〇〇町の町長から連絡がありました。どうやら今、〇〇川がこの大雨で決壊をしているそうです。なので帰りのバスは小学校までやってきません。それだけではなくて危ないので、今日はみんなに下校を中止してもらって、このまま〇〇小学校の中に泊まってもらいます。もちろん、みんなのご家族のかたには連絡済みです。いいですね」と道草先生は三人の顔を順番意味ながらそう言った。

 久美子たちは「はい。わかりました。先生」と道草先生に答えた。

 久美子たちはそれほど驚いたりはしなかった。

 こんな窓のすぐ先の風景も見えないくらいの大雨なのだ。おそらく今日は小学校にお泊りになるだろうと、三人は三人ともそう思っていた。

 そして久美子たちは道草先生の指示にしたがって、〇〇小学校に泊まる準備をした。お泊りの道具(布団や枕、着替えなど)は学校の準備室の中に用意してあった。今年の夏に台風の日に学校にお泊りになったときにも、久美子たち三人はその部屋に泊まった。(寝巻きも用意してあった)

 〇〇小学校は特別避難場所に指定されているようで、災害時の準備も常時からそれなりにしてあるようだった。(久美子たちには詳しい内容はわからなかったけど、道草先生やお母さんはそう言っていた)

 そして久美子たちは〇〇小学校一階にある準備室で三人で川の字になって眠りについた。

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