エンジェルリリー

第1話

私はついに魔法少女になったんだ。

私は紫藤りり、入学ほやほやの大学生だ。

そして私は、大のファンタジー好き。

大人になった今でも魔法少女になりたいし、なれると信じている。だから魔法少女お約束のコンパクトやペンダント、ブローチを集めている。いつかこれで変身できるように。

周りの人からはもういい歳なんだからそんなこと言ってないで現実を見なさいって言われるけど、私にとっては生きがいでかけがいのないものなのだ。

誰だって一度は非現実な何かに憧れたことがあるだろう。私は今でもそこ憧れを失っていないだけなんだ。

それに、実際に魔法少女になれる可能性だってある。私の隣には生まれた時からあるうさぎがいる。その子の名前はミミ。私と約20年間は一緒にいる。うさぎでこんなに長生きな子そうそういない。だからこの子は絶対特別なうさぎだと確信してる。魔法少女にはお供の妖精がお約束だからね。

こんな希望を抱きながら、いつもの日常を送っている。今日も宿題して、ミミのお世話して、テレビを見ていたらもう夜だ。

明日は何か特別な事が起きるといいな……

今日も寝る前に、いつものお願いをする。平穏で平和な日が続きますように、でもちょっと刺激的なことも起こりますように……