第6話

「おい裕樹。俺が振られた理由…顔だったわ」



ある夜、再び歩がカーテンから顔を出した。



「顔……?」


「うん。性格もだけど、顔も無理って言われたわ」


「ええ…歩の顔で無理なの?それってかなり理想が高いというか……」


「理想が高いどころの話じゃねえよ!クソが!!」



歩は振られた日の怒りを再燃させるように、またカーテンを強く閉めた。


歩には既に新しい彼女がいて、歩を振った女子のことなど、とっくに忘れていると思っていた。



それなのに……



「…はぁー。超萎えるわ。自分の顔面けなされるとか……もうこの顔もいらねえよクソが」



隣からブツブツと呟き悪態をついている歩は、いつもでは考えられないくらいショックを受けているようだった。

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