第22話 自分も頑張りたいビクトリア(アグネス)
♦♢
「お兄様! どうしてオリバー様をまたスペイニ王国に行かせるのですか?」
「オリバーが自ら望んだことだ。
「酷いです。オリバー様は命がけでスペイニ国王と偽ローマムア帝国騎士を捕らえてきたのですよ。それなのに、またあの荒廃した土地に行かせるなんて……」
「その働きに対する報酬はすでに与えたよ。
アレクサンダーの冷静な言葉に、
その足で、
そこには、オリバーが仲間たちと剣を交えている姿があった。額には汗が浮かび、真剣な表情が彼の覚悟を物語っていた。
「どうしました? 顔色が悪いですよ」
オリバーは彼女の不安そうな顔を見て、剣を収めると穏やかに微笑んだ。
「オリバー様。またスペイニ国に向かうと聞きました。お兄様は酷いです。どうして……どうしてまた行かないといけないのですか?」
「それだけ、アレクサンダー皇帝陛下から信用されているということです。僕はとても光栄に思っています」
オリバーは少しも旅立つ決意が揺らぐことはないかのように、迷いのない眼差しで答えた。そして、さらに
「待っていてください。僕は
その言葉は、
――そうだ! 私もこの手で、オリバー様のためにできることをするのよ。オリバー様の手助けがしたいの。スペイニ国民のためにもなにができるか考えなくては!
そんなわけで、
「まず、この布を使って簡単な袋を作りましょう」
「ここをこうすると、縫い目がきれいに揃うわよ」
子供たちは新しい技術を覚えることに喜びを感じ、次第に教室には笑顔が溢れるようになった。彼らが努力する姿に
そして、帰国する頃には彼らは復興に役立つ知識を携えて戻っていく。
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