4. メスガキがアラサーレイドを接待してみた_Part.1
「さてさて、カモたんのキャラは一体どんな吐き気を催す濃厚拗らせ性癖が詰まって……戦斧装備の重装銀髪褐色ロリエルフ? ……あのさあ」
「ロリがデカい武器ぶん回すのも前衛で耐久盾やんのもロマンだろ!? チクショウ毎回俺ばっか馬鹿にし腐りやがって、そういうお前はどんな……なんだこのオッサン!?」
「種付けチートおじさん、
「キャラメイクの数値はステータスに反映されないだろうが! 要らねえ伏線回収してんじゃねえよ! ……オイ、なんだよこっち見んな。やめろブリーフ一枚の汚ねえオッサンで俺の可愛いニナちゃんにじり寄ってくんな!」
「ちなみに彼の『種付けプレス』は即死スキルと化していてね。捕らえられたモノは老若男女種族魔物を問わず、結合部ドアップ構図で成す術も無くよがり狂うんだ」
「ただの無差別エロMODじゃねーか! マジでやめろ、秘境集落の温室育ちで無知のまま三百年守り抜いてきたニナちゃんの処女食い散らかそうとすんな!」
「……(引きっ)」
「何か言えよツッコまれないのが一番効くんだよ! いいからさっさとレイド周回するぞ!」
「はいはい。どうでもいいけど、重戦幼女と半裸中年の旅路ツーショット絵面ヤバいね」
「どっちに主導権があるかで、ヤバさのベクトルが百八十度変わるのも含めてな……」
「コレさ、ちゃんと背景考えたら一本くらい書けない?」
「書かんでいい」
「とりあえず腕慣らしがてら、僕とカモたん初の共同作業は無事に終わったわけだけど」
「敵に張り付いてひたすら防御と反撃に徹する幼女、戦場を縦横無尽に駆け抜ける中年。意外と絵になっててめちゃくちゃ腹立つんだが」
「お互いにアソビも作って立ち回れてるから魅せプレイとしても中々だね。コレ両者カメラでいい感じに編集するだけでそこそこ客付いちゃうと思うよ」
「おかしいな、俺の想像だとロリロリかおねロリの見目麗しい戦闘風景が……」
「あー、でも中年男性とロリの組み合わせがダメかもなあご時世的に。絵面がいかがわし過ぎてAI判定BAN食らいそう」
「合法エロロリが何か言ってやがる……。大丈夫だよニナちゃん三百歳だから」
「それで済んだらエロゲ業界も苦労しないんだよ。先日の『ロリ』規制騒動を忘れたかい?」
「アレなあ……、ロリコンなら誰もが疑問に思ったはずなんだけど『ロリ巨乳』の場合は『つるぺた巨乳』になっていやだあーノリで対消滅する未来しか(ry」
「でも一方で『ショタ』は全く手付かずだったのは僕的に「あっ(察し)、ふーん……(納得)」って感じで」
「オイやめろ。……もしかして今からでも、ショタジジイに路線変更すれば活路が」
「見出すな見出すな」
「なあサエさん。レイドボスがさあ、ダウン取るたびに火力アップはアカンと思うんですよ」
「空き枠埋めのNPCが死ぬ度に地獄絵図と化したねえ。攻撃力十倍ヤバ」
「もはや足踏みされるだけで死ぬんだけど。てかもしかして盾キャラ育成ミスった……?」
「そんなことないよ。ある程度の技量を前提にするなら、あらゆるボスに対応できるソロ攻略の最適解だ。カモたんにはぴったりだね」
「ありがとう。一言で最高に褒めて最高に貶すのやめてくれない?」
「つまりNPCが邪魔しないなら倒せるってことさ。……それでもマルチをやるなら?」
「バフデバフ特化の支援キャラぁ? そんなもんソロぼっちが用意してるわけが」
「あるんだなあソレが。というわけで僕の自慢のサポ要員をお見せしよう」
「レイドボスって、一撃で消し飛ばせるんだな……」
「火力振りキャラに十分な支援があればね。シールドだのバフデバフ解除だの、特殊行動始める前に状況整えるのがミソ」
「というかサエさんよ。筋肉ハゲダルマ男の魔法職ビジュアルはともかく、何故にサポ特化キャラなぞお持ちで……?」
「おっと、嫉妬かいカモたん~? ……お母さんと一緒に遊んでたんだよ」
「あっ」
「いやあママさんネットワークってすごいね。いつの間にかレイドキッズ達が集まっててさ」
「ふーん……」
「しれっと子供たちの輪に混ざって、一緒に遊ぶ内に接待プレイ極めたんだ。……物理無効ボスを、脳筋火力キャラだけでぶちのめした時は脳汁ドバったね」
「すげえ全く意味が分からねえ。システム限界突破してんぞ」
「というわけでカモたんも遠慮せず好きな戦法使うといいよ。どうせ防具外せば戦斧二刀流できるとか、銃持たせて遠近両対応とかロマン振りステータス持て余してるだろ?」
「図星過ぎて悔しい……。でも出しちゃう……」
「うおおおお! 最難度ボスヤバい死ぬ死ぬ死ぬ! 何でコイツ三形態もあるんだよ!?」
「ゲイのサディストだから。大丈夫だよ……、僕が守るからね」
「セリフに対して筋肉ダルマがムサい汚い暑苦しい! でもめっちゃ有難いいいいい!」
「ぎゃあぎゃあ騒ぎながらちゃんと大技捌くし的確に反撃入れるんだよなあ。実況者向きスキル過ぎて嫉妬するよ」
「片手間に菓子食ってるお前にゃ負けるよ! ……っしゃあスタン入ったァ!」
「ナイスゥ。コレこのまま削り切れるんじゃない?」
「ならポッキー開ける前にバフを入れろォ! ……ってちょっと待て、コイツ倒すと確か」
「特殊トドメ演出入るねえ、参加キャラ全員で激アツのニチアサ風合体技」
「いやあああああ俺のニナちゃんが筋肉ダルマとキラキラ空中乱舞ううううう――ッ!」
「わーすごいすごい。くっそ下品にフィニッシュしてるね」
「クソが……! ちょっと取れ高と思ってしまうのが悔しい……っ!」
「君ホントにネットのオモチャ向きだよね。今後とも是非よろしく頼むよ」
「あらかた強敵はしばき終えたか? いやあサポ要員クッソ強いな……」
「カモたんがちゃんと火力こなしてるからだよ。そもそもソロクリアできるキャラにサポート付けたらそりゃ強い」
「耐久盾で即死技防ぎ切るの気持ち良過ぎるだろ。もう回避盾でいいとは言わせねえ」
「実際ニンジャでいいけどね」
「それはそう」
「さーてそれじゃあ、協力プレイも堪能したとーこーろーでー?」
「いやだあああPVP廃人の実況者と対戦なんてしとうない! こちとら先月始めたばかりの初心者だぞ!? つーか、お前のキャラはどうせ種付けプレスだろうが!」
「さすがにMODスキルで無双なんてチートキッズみたいなことしないよお。大丈夫だって、ちょっと速攻ハメ型と耐久デバフ型とロマンコンボ型が揃ってるだけだからさあ」
「環境すらまともに理解してないソロぼっちにガチ育成ぶつけんじゃねえよお! ああああああ自己バフ肉弾系魔法使いいいいいいいいい――!」
「残念そいつは物魔両刀だ……!」
などと。
ぎゃあぎゃあ騒いで、ピザ食って酒飲んで好き勝手に暴れ散らして。
醜態の極みに他ならないアラサー二人の夜は、しかし随分と、楽しく賑やかに更けていく。
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