第33話 ゴリラはアイドル(?)
「唯先輩、お世話になりました!またよろしくお願いします。」
『こちらこそだよ!それじゃ、碧ちゃんまたね〜!』
「はい、また。」
ボイスの収録が終わり唯ちゃんを見送るボク。ボクの脳内はとある一つのことに支配されていた。
"平静を装ってるけど羞恥心で耳が赤くなっちゃってる唯ちゃんきゃわ〜!"
唯ちゃんは内心……いや、見るからに恥ずかしさに悶えている。その原因のとある事件が起きたのはボイス収録直後。その時、唯ちゃんの顔は上気し、息も荒くなっていた。ついでに目も据わっていた。その時のボクのツッコミがこちら。
「ボクのボイスは媚薬か何かかよ!」
だってそうだろ?実際にボクが読み上げたシチュエーションボイスの感想を聞こうと思ったらアレだよ?発情期かよって思うじゃん!ボクの反応はごく一般的なものだよ。大事な事だから最後にもう一回言っておこう。だってアレだよ?
『ギャーギャーギャーやかましいなぁ。発情期なの?』
え?誰?なんだ母さんか……いや、え?なんでいつもと違う声?なんで天パ?なんで銀髪?なんで死んだ魚みたいな目?なんで母さんの後ろにゴリラ?もう訳が分からないよ!意図は分かるけど!不本意ながら分かるけど!意味は全然分からないよ!
『そんなこともわからないの?はぁ……。』
この顔腹立つなぁ。
「やれやれみたいな顔されても困るんだが?」
『発情してる人がいるんだよ?あのセリフを言うしかないでしょうが!あんたふざけてんの!』
情緒不安定かよ!怖いねん!急にキレ散らかされると怖いねん!急によく分かんない方言で喋りだしちゃうくらいビビっちまうのら!いや、これはほんとにでどこの方言なのら?
「あんたに言われたかねぇよ!ギャグ時空の常識を押し付けないでよ!あんたはともかくそこのゴリラはなんなんだよ!何をどうしたら家にゴリラがいるなんてことになるんだよ!誰をイメージしてるのかは分かる。でもゴリラはないでしょ!ゴリラはゴリラでゴリラなんだよ!それにゴリラだし!」
あぁもう自分でも何言ってるのか分かんねぇよ!あ、でも日本の動物園で見れるのはニシローランドゴリラだし日本のゴリラはGorillaでgorillaでgorillaなのは間違いじゃない……のか?
『ゴリラゴリラうるさいなぁ!たまたま庭にいたんだよね。で、バナナあげたら仲良くなれたんだよ。可愛いでしょ!』
しょうがないよね(?)バナナ美味しいし(?)ゴリラが可愛いかは審議だよ!天使はゴリラでゴリラは天使みたいなとこあるし可愛いのかもしれない(?)ゴリラは天使でまな板なアイドルだった……!?
「なるほどね!それなら納と……く出来るわけないだろうが!」
良い子のみんなはいくらバナナが大好きだからって知らない人にバナナを貰ってもついて行っちゃダメだよ!お姉さんとの約束だぞ☆
あれ?そういえばボクは何に話しかけて……。
『さっき近くの動物園に連絡したら脱走してたらしくてね。もうちょっとしたら担当者さんが迎えにくるってさ。』
「くっ、ギャグ時空の人間は強すぎる……。」
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