第29話 依頼品 其ノ壱
ん?唯ちゃんから連絡きた。なんか確認したいことでもあったのかなぁ……え?もうできたん?いい意味で頭おかしいなこの人……。あれ?できたってことはオフで会う日程とか決めなきゃなのでは?
とりあえず読むか。この台本で確定にするか依頼料追加で別のも書いてもらうか決めなきゃだし。
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とある用事の帰りに自分へのご褒美を買うべくコンビニに入り、買い物を終えた男がコンビニから出てくる。
「ねぇ!そこのお兄さん!」
(気付くと俺の周りには誰もいなかった。さっきまではいたはずなのにどうしてこんなに急に静かに……。いや、ガキんちょに話しかけられてるんだし反応くらいしてやるか。)
『ん?俺か?俺になんかようでもあるのか?』
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ちょっと待てぇぇぇぇぇぇい!え?待って待って!僕会話するの?いや、俺の特技を使わないのはもったいないしな。ボクの負担が増えるけど、これはこれで悪くないか……。気ぃ抜いてたから一人称ぐっちゃだな。
よし、じゃあ改めて……
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「お兄さんにお願いしたいことがあるんだ!ほんとにちょっとしたことだからさ!」
『聞くだけ聞いてやるよ。』
「お兄さんの精力を吸わせてくれないかなって!」
耳元で囁かれる男。
(なんでこんなに近くに!?さっきまであそこにいたはずなのに……。)
『何言ってんだよお前さんは……。そんなフィクションに出てくるサキュバスじゃあるまいし。』
「わぁ〜よくわかったね!ファンタジーとか読む系?そういうシチュエーションとか妄想しちゃってる感じ?」
『まさか、妙に静まり返ってるのも……。』
「そうだよ!私にかかれば朝飯前ってわけよ。そんなことよりさぁ、お兄さんのお家に行こっか!」
『は?お前なんか連れて行くわけないだろ。』
「
(何度言われても断るだけだ)
『わかった。』
(は?今口が勝手に……)
「お兄さんありがとう!」
(こいつまさか俺の身体を……)
「ふふふっ」
『このまま家に行くしかないのか……。はぁ、もう着いちまったよ。』
「案内ありがとね!お兄さん♡」
『チッ、強制的に案内させといてよく言うぜ。』
「さっそく始めたいところだけど……お兄さんちょっと精力吸っただけで死んじゃいそうだから、まずは精をつけてもらわないと!」
『は?』
「だ〜か〜ら〜!このまま精力吸うとお兄さん死んじゃうの!」
『いや、なんで?』
「サキュバスに精力を吸い尽くされて萎れて死ぬみたいなフィクション作品あるでしょ?あんな感じ。あんなのよっぽど一気に吸わないとならないんだけど……。」
『な、なるほど?』
「お兄さんちょっと頑張りすぎちゃってるみたいだから、精力吸う前にお兄さんのことをいっぱい癒してあげるからね!まずは……ご飯作ってあげるね!」
『お、おう……。』
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と、ここまでで大体半分くらいか。正直に言うと、思ってたのと違う。でも、家庭的な蒼井……悪くないな。サキュバスのイメージから聞く人をドキドキさせてから家庭的な一面で癒す。この後の展開どうなるんだろう。気になって夜しか眠れない。
でも、もうちょっとくらいはえっちな内容でも……。いや、ダメだ!読むのボクじゃん!ついオタク目線で見てしまった。四歳児が読むんだから健全なものじゃなきゃじゃん!まぁそこら辺は唯ちゃんも分かってるとは思うけど……分かってるよね?不安だ……。
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